物凄く憧れてた一人暮らし。
一人暮らしを始めて、半年で父親が死去。
実家との往復の日々。
もしあのタイミングで家を出ていなかったら、
一人暮らしをするタイミングは無くなっていたのかもしれない。
父さんは一度だけ来てくれた。
インターホンが鳴って、ドアスコープから見た姿は今でも覚えている。
亡くなってからは、ドアスコープを使うのが極端に減った。
思い出す姿があるから、どうも苦手。
眠れなくて、幾度となく朝まで過ごした狭い部屋だった。
友達が遊びに来てくれた部屋。彼も、もう死んでしまった。
何もなかった部屋。
部屋の番号は503。