20th Annive. / Room 503


物凄く憧れてた一人暮らし。

一人暮らしを始めて、半年で父親が死去。
実家との往復の日々。
もしあのタイミングで家を出ていなかったら、
一人暮らしをするタイミングは無くなっていたのかもしれない。

父さんは一度だけ来てくれた。
インターホンが鳴って、ドアスコープから見た姿は今でも覚えている。
亡くなってからは、ドアスコープを使うのが極端に減った。
思い出す姿があるから、どうも苦手。

眠れなくて、幾度となく朝まで過ごした狭い部屋だった。
友達が遊びに来てくれた部屋。彼も、もう死んでしまった。

何もなかった部屋。

部屋の番号は503。

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